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トマトジュースにびびったことはありますか?ケチャップに仰天したことは?…突然なに?って感じですよね。いや、出会っちゃったんですよ、そういうものに。その真似できない味は、加藤農園の加藤文吾さん・絹子さん夫婦が、トマトの栽培からジュースなどへの加工まで、全て自ら手がけて生まれたもの。何はともあれ彼らのトマト、「ぶんぶんとまと」の話から。


甘みと共にカラダに染み渡ってゆく酸味。この時期特に心地よい。体中の細胞が素直に喜ぶ「ぶんぶんとまと絹子のジュース」。ちなみにトマトはジュースなど加工品になると2-3倍もリコピンを吸収しやすくなるのです。

ぶんぶんぶん〜といったら…そう蜂が飛ぶ♪です。一般のトマトのうち7割ほどは、花にホルモン剤を散布し受精に関係なく雌花のみで単位結実してる。つまり父親のいないトマトが生産されてるのが現状。一方、加藤農園ではマルハナバチが大活躍!ハチ達が受精を手助けしてくれるハチ交配を利用。ホルモン処理したトマトは酸味が少ないため(たとえ糖度が低くても)甘く感じるものだけど、ちゃんと受精したものは、果肉ゼリー部分が充実して本来の甘さも酸味もどちらもしっかり。糖度が高く味の濃いトマトになるんです。

土からじっくり作ったスローフード。それぞれの瓶に自然の美味しさと力が閉じ込められてます。トマトのフレッシュさがそのまま活きた「絹子のケチャップ」。

「トマトの出来の良し悪しを左右するのは育て方、環境です。」と加藤さん。ではさぞやトマトたちは快適にぬくぬくと育てられてるかと思いきや…「トマトはストレス、辛い環境が重なるほど美味しく甘くなる。」とのこと。まずは水。水を極端に控えることで、トマト自身が、この苦境を乗り越えようと自力で水求め、根を張りめぐらす。トマトが元来持っている底力を、えいっとふるいたたせてやるのです。すると果汁濃度が高く、水に沈むトマトになる。反対に水を欲しいままに与えてたり、畑が元水田であったりその周辺地域が水田地帯だったりと水もち良い土地では、どうしても水っぽい味の薄っぺらなトマトに実ってしまうのだそう。成長剤使わず追肥もしない。甘やかしてちゃいいコにはならないわけです。いわば愛の鞭。子育てのようだけどトマトは反抗しない。けなげに必死。元々そうした環境であるアンデスの高地が故郷であるトマトは、いじめられて、耐え忍んで、サバイバリーな状況を乗り越えて、本来の力を呼び覚ますかのようです。しかし、その苦境に挫折者もかなり多く、生き残るのは力強い精鋭たちだけ。一般のトマトの半量にしかならない。じゃあどうする?答えは1,500坪の農園。実るトマトの量が少ないのならもっと面積広くして沢山育てる。当然広くなれば仕事は増える。それでも実際沢山とはとても言えない収穫量だけど…「量より大切なのは味。自分ちで対応できる範囲でいいんです。」

「絹子のトマトジャム」はペクチン使わずトマトの力だけで固めた、トロリゆるめタイプ。甘酸っぱくてトマトキャラメル的な深いコクあり。





こちらでは化学農薬肥料は避けている。とはいえ、美味しいトマトは虫にも狙われるし、トマトが頑張って根をのばしても、その土に栄養が無くなってしまっていては根折りゾンのくたびれもうけ=H、単なるイジメに終わってしまう。そこで背景の見える自然な素材を駆使しての独自農法を。米糠、海草(こんぶ)、魚粉、カニ殻、その他天然微量要素をたっぷり含んだ有機質肥料を主体とした土造りを長年(35年!)に渡って行っているんです。でもコレ、最初の土に施すのみ、特に後から追肥をしない。追肥した方がもちろん沢山出来るけど、どうしても地中に窒素が残ることになる。するとアクっぽくなってしまい、それが青臭すぎるトマトへとつながってしまうという。ここのトマトはトマトらしい香りはしっかりだけど青臭さ過ぎることはないのです。で、肥料の代わりに、といっちゃなんですが葉っぱをにがり成分たっぷりの粗塩を薄めたもので洗ったりしてます。最近巷でも健康食品として大ブームのにがり、全ての植物・生物のふるさと=海、その何百をいうミネラル成分が含まれたこれを吸収させることで、メキメキ美味しくなるんだそうな。

青いトマトをほんのりカレー風味で漬けた「絹子のピクルス」は歯ごたえも楽しい。

それから虫対策。マルハナバチは、花粉を集めて自分たちの幼虫の食料にしていて、その際ハチが受粉を行ってくれるわけですが、農薬をまかれた花から採れた花粉では幼虫が成長できないしハチもやられてしまいます。逆に言えばぶんぶんぶん〜と元気なハチが安全の証、即効の強い効果は得られずとも自然のものをと、ニーム(インドセンダン)の樹の果実から採取した木屑の成分を薄めたものを虫除けに。
そうそう、トマトを狙うのは虫だけじゃございません。空から食べにくるヒヨドリやムクドリを追い払うのは(実際は、鳥とじゃれたがっているのは)ガードキャッツ、つまり猫たち。農園に放されまさに目を光らす、頼もしき小さな助っ人なのである。

ぶんぶんとまと特有の甘みとピリ辛の出会い。「絹子のサルサソース」は野菜たっぷり!辛さはマイルド。

生食用品種のトマトは完熟前にとる、加工用は赤く熟してから収穫というふうに分けられるのが一般的ですが、そこには流通のしやすさ、利益率の優先という思惑が。酸味の少ない今のトマト≠ヘいたみやすいから早めにとって、出来るだけ長く売っていたいらしい。そうしたトマトとは明らかに色が違って(元から色の薄い品種もあるけど)、生食用品種を加工に使うぶんぶんとまとはくすみなく真っ赤に輝いてる。これはちゃんと枝で完熟し、全体が赤く色付いてから収穫するから。自らのしっかりした酸味に防腐効果があるため、困難を乗り越えて実った精鋭はそう簡単に痛まない。でも青いうちにとらないから機械選別は出来ず最後まで手作業で、待ち構えてるお客さんへと即、送り出すのであります。

とまとの赤はリコピンの色。活性酸素を抑え、ガンや動脈硬化などの生活習慣病を予防し、さらに骨粗しょう症や老化も抑制…とミラクルな効果をもたらす色素・リコピンは、赤が濃いほどたっぷり。ぶんぶんとまとの坑酸化率は他のトマトと比較して約2倍強の数値を示すんだそう。確かにびっくりですが、もっと驚かされたのはその味!太陽、空気etc…自然の恩恵、そして加藤夫婦の思い、をその身にぎゅぎゅっと詰め込んだ真っ赤な完熟トマトは、果物感覚で皮むいてそのままかぶりつくのが最高!滑らかでそっと触れてくる口当たりはビワのよう。中身は、はちきれんばかりにつまってて、そこに吸い付くようにいけば、ゼリー状の種部分がぴゅっとあふれ出す。なんともフルーティー&ジューシーでフルーツを食べてる錯覚に陥ってしまうけれど、それもそのはず、一般のトマトの糖度は3〜5度のところ、これは桃やオレンジにも匹敵する9度以上。そしてただ甘いだけでなく、昔のトマト≠ェ持っていたきゅんとした酸味や香りはそのままに、そこに甘さが加わったような甘酸っぱさがたまんないのです。

 トマトと共に日々歩み続ける加藤さんご夫婦。その手で作り上げた商品には奥さん・絹子さんのお名前が。

さてさてこの「ぶんぶんとまと」が、小さな工房で無添加のジュースなどへとさらなる変身。加工品になると、カサが減り思いがけなくたっぷり食べられるものですが、この「ぶんぶんとまと絹子のジュース」に至っては、1本にぶんぶんトマト1Kg使用!ジュースには市場性や栽培効果などが優先されジュース専用品種が使われることが多いですが、ぶんぶんとまとは元来全てが生食用、中でも特にいいとこだけ選りすぐっての贅沢仕上げであります。名立たるトマトジュースを飲んできましたが、ホント、たまげました!飲む≠ニいうより食べる≠ェお似合いのとろりとしたコレは間違いなくトマトジュースなのに…フレッシュフルーツジュースかのよう。
材料は濃密な味のこのトマトだけであって他には何も入ってないのに、蜂蜜のような甘み、そしてその自然な甘みと程よく調和する酸味。無塩とは信じがたいはっきりした旨みの後から、ほんのりと「トマトです。」といった香りが追いかけてくる…トマトジュース嫌いを減滅させる名作といえようもの。

ビタミン類も豊富な「ぶんぶんとまと」凝縮したその味わいにはドレッシングどころか塩すら邪魔と思えるほど。

絹子のジャム・ケチャップは、このジュースを1/3まで濃縮して生み出されたもの。ケッチャップ1瓶に「絹子のジュース」2本分とは!やってくれます。たまねぎなど加えずトマトの旨みだけ凝縮した、いきいきとした素材味に自然塩やスパイス、まろやかに奥行き深めるりんご酢などをプラスしたケッチャップは、ピュアなぶんぶんとまとのあの味わいに満ちていて、そのままスプーンですくって食べても美味しいのです。もちろんパスタやオムライス、ピザソース、煮込み、ディップ…ちょちょいと使えばあら不思議、たちまち料理上手と呼ばれることになります(たぶん)。

例えばトマトジュース。大手メーカーが1日2万本作るのならばこちらは頑張っても200本が関の山。でも国産トマトだけで毎日2万本分はまかなえるはずがない…。便利に効率よく作ったものが世の中氾濫して、それが当たり前になってる昨今、「だからこそあえて挑戦していきたいんです」と逆行するかのような加藤さんの姿勢。それは決して簡単なことじゃない。でも食べれば衝撃的にその違いと意義が分かるはず。現に食べた人からの口コミでじわじわ注文も広がってきているという。「小さな個人農園だからできる大量生産にはない味。他に無い味だから作ってておもしろい。」加藤さんは言います。「食べたものの細胞が自分の細胞へと置き換わるんですよね。便利で自由なご時世だから、だからこそその先、何を選ぶかは自己責任なんです。流通させてく方の都合じゃなく自分たち食べ手の都合で選んでいいはずなんですから。」…見える農業が生む見える食材、その味に舌が脳が心がときめいたのは、カラダが発したGOサイン?



CHIKOプロフィール
CHIKO(ちこ)
イラストレーター+ライター+モデル
食とそれを取り囲む人々の魅力にとりつかれ、愛しい食べ物への感謝を込めて日々色鉛筆をはしらせる。探し出した美味しいものをかき綴ったノートは数十冊に及ぶ。TYODONMODELLINGAGENCY所属(イラスト、ライター業他はフリーランス)。「TVチャンピオン第11回甘味女王選手権」3位。雑誌「Oggi」「mina」「chouchou」「MUTTS」「世田谷ライフ」などの他、商品開発「emotions」(ケーキ店)などのアイテムイラスト他、幅広く活躍中。
本文は、DIONのホームページ「じっくり煮込んだコトコトコラム」に掲載されたものです。
本コラムCHIKO(ちこ)さんのご了承を得て、当加藤農園ホームページの一部として掲載させていただきました。



 

 

ぶんぶんとまと(とまとふぁーむ加藤農園)

群馬県富岡市黒川960  TEL 0274-63-4850 FAX 027460-1505  info@bunbuntomato.com

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